 伝統が息巻くシクリの“クリスマス”をのぞいてみませんか?

シクリのクリスマスシーズンは伝統的なイベントが目白押し。地元出身の若者たちもこの時期になると帰省してきます。街の人々もどこか嬉し気に見え、街のいつもとは違う雰囲気やこの時期に食べる料理を、みんな待ち焦がれていたかのよう。

街を歩くと、クリスマスの風物詩であるPresepi(プレゼペ)をあちこちで見つけることができます。プレゼペとは、キリスト降誕のシーンを模したジオラマです。木材、陶器、粘土、張り子などの異なる素材を使用して、その家ならではのプレゼペを作ります。シクリの歴史地区では、訪問者にこのプレゼペを見せるために家を開放している家庭もあり、見学することができます。プレゼペは作る家々によって少しずつ表情が違い、それを見比べるのも楽しみ方の一つ。

12月7日と14日の夜、ブラスバンドの一行が奏でる音楽がどこからか聞こえてきます。「Canzoncine dell’Immacolata(カンツォンチーネ・デル・インマコラータ)」という、シチリアの無形文化財にも指定されているシクリの伝統的な行事です。クリスチャンにとって重要な日である12月8日は「Immacolata(インマコラータ)」と呼ばれ、シクリでは聖母マリアに捧げる歌を前夜に歌います。シクリの人々が一堂に会し、この特別な歌を歌いながらブラスバンドの生演奏と共に街を練り歩きます。歌のクライマックスが近づき人々の歌声がますます大きくなっていくと、歌詞を知らなくても体を揺らさずにはいられません。

12月16日から9日間、夕方になるとクリスマスキャロルを奏でる子どもたちに出会います。「Novena(ノヴェナ)」という伝統的な祝祭で、彼らはノヴェナ・ボーイズと呼ばれます。シクリの家々やレストランを周り、聞くだけでウキウキしてしまう音楽と共にクリスマスを盛り上げます。

最後は、誰もが楽しみにしているクリスマスイブの夕食です。イタリアでは、クリスマスは家族で過ごす大切な時間。そんなあたたかい家庭の中心に用意されるのは、「Mpanate(ンパナーテ)」「Pastizza(パスティッツァ)」というシチリアの伝統料理です。様々な食材を使って作られるこれらの料理は、母から子へ、またその子どもへと伝わる「家庭の味」なのです。

まるで魔法にかかったような特別な雰囲気が心地よく漂うシクリで、とびっきり素敵なクリスマスを過ごしてみませんか?